第4回

【被評価者研修について】前回に続き人事評価に関わる研修について取り上げます。今回取り上げるテーマは、被評価者研修です。JBSでは、会社立上げ時からサービスメニューにあげていたことから、特に評価者研修を担当させていただいている企業の人事担当者の皆さまに実施に関わるお考えを伺ってまいりました。すると殆どの回答は、「評価者研修は、必須研修と位置づけ毎年実施している」、「被評価者には上司である評価者が教えるべきである」、或いは「新入社員研修の中で目標の立て方に触れている」というものでした。一方で、評価者研修の受講者である多くの評価者からは、「評価者研修と同じ内容を部下(被評価者)にも教えてほしい」、「評価者になる前に学びたかった」、「目標の立て方も自己評価のやり方も全く知らず、全て自己流でやってきた」という声が聞かれます。評価制度の主管部門と制度運用の最前線にいる評価者の考え、敢えて言い分と言わせていただきますが、このギャップが現実です。前回のコラムでも触れさせていただいたように、評価制度は、主管部門と評価者、被評価者が共同作業で運用する仕組みであると述べましたが、現在の教育施策の状態では十分に仕組みが運用できないというのが当社の考え方です。被評価者研修の対象者は従業員の殆どではあり、例年実施されている新任評価者研修の受講者数とは桁が違うものの、やり方は工夫次第です。評価者研修は、評価者間の目線合わせや面談の効果的なやり方の体得が狙いであることからリアル(面着)研修をお勧めしますが、被評価者研修は知識教育が中心となることから、多くの企業が導入しているオンディマンドがむしろ最適です。立ち上げ時にはかなりの負荷と工数がかかることは否めませんが、軌道に乗れば以降はメンテナンスを必要に応じて行うことで現状の制度運用に則した教育は可能です。最近の離職の理由に、人事評価に対する会社と評価者(上司)に対する疑問と不満が挙げられていることから、離職防止の施策の一つとしても検討されることをお勧めします。